交通事故問題に強い弁護士の選び方

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交通事故問題に強い弁護士の選び方

広島法律事務所 所長 弁護士 西谷 剛

監修弁護士 西谷 剛弁護士法人ALG&Associates 広島法律事務所 所長 弁護士

ある日突然、交通事故に遭い、示談交渉について「弁護士に相談したい、依頼したい」と思ったとき、どうやって弁護士を選べば良いのでしょうか? そもそも裁判でもないのに弁護士に「相談・依頼する」という発想をお持ちでない方の方が多いのではないかと思います。

交通事故では弁護士に依頼することで、慰謝料が増額したり、治療費の打ち切りが延長されたり、後遺障害等級が認定されやすくなったり、さまざまなメリットがあります。

今回は、交通事故問題に強い弁護士の選び方について解説します。

弁護士への相談・依頼を検討されている方はぜひ最後までお読みください。

交通事故を得意とする弁護士の探し方

人からの紹介やインターネットなど、弁護士を探す方法はいくつかあります。

下記では、交通事故を得意とする弁護士の探し方をメリット・デメリットとあわせて紹介します。弁護士を探す参考にしてください。

知人や弁護士会などからの紹介

弁護士を紹介してもらうパターンとしては、

  • 「知り合いに弁護士がいる」「弁護士に依頼したことがある」知人
  • 弁護士や弁護士法人から構成される弁護士会

から紹介してもらう方法があります。それぞれのメリット・デメリットは下記のとおりです。

【知人】
メリット:事前に弁護士の情報がわかる、ある程度信頼できる
デメリット:交通事故を得意とする弁護士とは限らない、弁護士と相性が悪かった場合、断りにくい

【弁護士会】
メリット:弁護士会によっては、交通事故を得意とする弁護士が見つかる
デメリット:地域によっては交通事故を得意とする弁護士を選べない、弁護士の紹介までに時間がかかる

弁護士は弁護士法により弁護士会への加入が義務付けられています。全国には52の弁護士会があります。

東京都と北海道を除く45の府県にはそれぞれ1つずつ弁護士会があり、北海道には4つ、東京には3つの弁護士会があります。

「第二東京弁護士会」では相談者のニーズに合う弁護士を紹介したいという想いから、弁護士を選んで、相談予約ができる「弁護士アポ」というサービスがあります。

弁護士アポ

インターネットを利用して探す

インターネットで「交通事故 得意 弁護士」と検索すれば、数多くの情報が出てきます。

交通事故を得意とする弁護士を自分で探す場合、多くの人がインターネットを利用します。

インターネットで弁護士を探すメリット・デメリットは下記のとおりです。

メリット:交通事故を得意とする弁護士や弁護士事務所を自分で探すことができる
デメリット:情報量が多いため結局どの弁護士に相談すれば良いか迷ってしまう

保険会社から弁護士を紹介してもらう

被害者自身が加入する自動車保険に「弁護士費用特約」があれば、保険会社から弁護士を紹介してもらうこともできます

保険会社から紹介してもらうメリット・デメリットは下記のとおりです。

メリット:交通事故の知識のある弁護士を探す手間が省ける
デメリット:弁護士を選ぶことができない、知識があっても親身になってくれるとは限らない

「弁護士費用特約」を使う場合でも、保険会社から紹介された弁護士に必ず依頼する必要はありません。

弁護士費用特約は基本的に被害者自身が選んだ弁護士でも使うことができます。

保険会社から紹介された弁護士が、被害者に親身になってくれるか、実績がどのくらいあるかなどはわかりません。

まずは初回相談を受けてみましょう。

弁護士の印象や対応に疑問を抱くようであれば、ご自身でも弁護士を探して、どちらに依頼するのが良いか検討してみるのがおすすめです。

交通事故に強い弁護士・法律事務所の選び方

交通事故の示談交渉では弁護士選びが重要です。

弁護士の知識や経験、交渉次第で被害者が受け取る損害賠償の金額が大きく変わる可能性があるからです。

治療費の延長や慰謝料の額、過失割合など交通事故では加害者の保険会社と揉めるケースがよくあります。

保険会社との交渉を円滑に進めて、被害者にとって良い結果を得るためには、「交通事故を得意とする弁護士」に依頼する必要があります。

以下では交通事故を得意とする弁護士をどのように見極めれば良いか、選び方のポイントを解説します。

交通事故の示談交渉の経験が豊富

弁護士を選ぶさいには「交通事故の示談交渉」の経験が豊富であるかが重要になります。

示談交渉では、

  • 交通事故の種類や事故状況、被害者のケガの程度などについての正確な把握
  • 法律だけではなく、交通事故の過去の判例や実務上の取り扱い、自動車保険、各種制度についての知識

などが必要になります。交通事故の示談交渉の経験が豊富な弁護士はこれらの知識が豊富なため、スムーズな交渉ができます。

弁護士の中には、離婚や相続についての交渉には慣れているが、交通事故の交渉は不慣れ、経験が少ない弁護士もいます。

弁護士によって交通事故の交渉経験に差があることを念頭に入れて選びましょう。

過去の解決事例をチェックしましょう

交通事故の示談交渉の経験は「過去の解決事例」を確認するとわかります。

弁護士や法律事務所のホームページに過去の解決事例が掲載されているかチェックしましょう。

どのような交通事故で、どう解決したのか、詳細に載せてあるかが判断基準になります。

逆に解決事例があまり載っていないところは、交通事故の示談交渉に慣れていない可能性があります。

サイトには、交通事故の相談を受け付けていると書いてあっても、示談交渉の実績が豊富ではないこともあります。

インターネットで検索して調べるさいには、上辺だけの情報を見るのではなく実績の内容、解決事例までしっかり見て判断する必要があります

医学的知識を兼ね備えている

交通事故の交渉では弁護士に「医学的知識」があるかも重要です。

交通事故で得られる慰謝料の中には「入通院慰謝料」というものがあり、入院や通院をした日数が慰謝料額に影響します。

医師の判断のもと、ケガの程度や状態に合わせた通院がされているのに、相場より慰謝料が低く提示されている場合、弁護士の見極めが重要になります。

また、交通事故のケガの中には、後遺症が残ってしまうものがあります。

後遺症が残った場合、「後遺障害等級」が認定されると、障害の程度によって後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益という損害賠償を請求できます。

医学的知識のある弁護士であれば、後遺障害等級認定の申請をした方が良いか、また申請する場合には等級認定に必要な資料の準備などについて的確にアドバイスします。

知識が乏しい弁護士だと、これらの判断やアドバイスを適切に行うことができません。

専門の部署があり、交通事故に特化した弁護士がいる

「交通事故専門の部署」がある法律事務所を選ぶことで、交通事故を得意とする弁護士が見つかります。

一般的な弁護士は、民事の中でも交通事故、離婚、相続、労務などいくつかの分野をかけもちして仕事をしていることが多いです。

さまざまな分野をこなすことで、弁護士としての幅広い経験と知識が身についていると思います。

しかし、交通事故を得意とする弁護士か、というと必ずしもそうではありません。

さまざまな分野をかけもちすることで、担当する案件数が限られてしまうからです。

交通事故専門の部署に属している弁護士であれば、交通事故案件を数多くこなしているため、経験や実績が多くなり、交通事故の事案に慣れているといえます。

自分で弁護士の経歴や解決事例を調べなくても、専門部署のある法律事務所を選ぶことで、交通事故に特化した弁護士に出会えます

後悔しない弁護士・法律事務所の選び方

交通事故の示談成立までには、ある程度時間がかかるケースが多いです。

弁護士や法律事務所を選ぶさい、依頼しても、その後の示談交渉の間に「後悔しないか」不安に思う方もいるかと思います。

以下では、後悔しない弁護士、法律事務所の選び方を解説します。

説明がわかりやすく理解しやすい

「慰謝料」「休業損害」「逸失利益」「算定基準」「過失割合」「素因減額」など交通事故の示談では専門用語が多く出てきます。

さらに自動車保険や法律、医学的な知識など初めての方にとっては難しい内容がたくさんあります。

交通事故に慣れている人の方が少ないので、これらの知識をわかりやすく説明してくれる弁護士を選ぶのが良いです。

人当たりの良さなど弁護士を人柄で選ぶのも良いですが、被害者の質問に対してわかりやすく、理解しやすいように説明してくれる弁護士ほど交通事故に精通している弁護士だといえます。

説明がわかりにくかったり、理解しやすいように話す姿勢が感じられない場合は、のちのち不信感や後悔につながる可能性があります。

初回相談で弁護士と話をするさい、どう対応してくれるかを見極めて弁護士を選びましょう。

弁護士以外の受付・事務局の対応が優れている

弁護士に依頼すると、書類の送付や相談予約のメールといった事務的なやり取りの窓口となるのは受付や事務局の担当者です。

弁護士と一緒に被害者の方をサポートしてくれる人たちになるので、受付や事務局の対応も優れている法律事務所を選ぶと良いでしょう。

電話やメールのレスポンスが遅かったり、誠実に対応してくれなかったりすると不満やストレスを感じることになります。

初回の相談予約は電話やメール、LINEなどでする法律事務所が多いと思うので、受付や事務局のスタッフの対応も視野に入れて検討するようにしましょう。

費用倒れについて説明してくれるかどうかもポイント

費用倒れとは被害者が最終的に得た利益よりも、弁護士費用が高くなってしまうことです。

たとえば、
  • 加害者の保険会社から提示された損害賠償金:50万円
  • 弁護士に依頼して得られた損害賠償金:55万円※交渉の結果、5万円の増額
  • 弁護士費用:30万円
  • 被害者が受け取る損害賠償金:25万円

交通事故の状況や交渉によっては、弁護士に依頼しても賠償金の増額が見込めない場合があります。

その場合、事前に「費用倒れ」になる可能性を説明してくれるかどうかも弁護士を選ぶポイントになります。

費用倒れになってしまうと、そもそも弁護士に依頼するメリットがありません。

交通事故に慣れた弁護士事務所であっても費用倒れについて事前に説明されない可能性もあるので注意しましょう。

報酬金等の料金体系が明確

弁護士や法律事務所を選ぶさいは、弁護士費用が明確であるかを確認しましょう。

弁護士費用には、法律相談料や着手金、報酬金(成功報酬)などがあります。

弁護士費用の金額に決められた基準はなく、弁護士や法律事務所ごとに料金体系を決めています。

初回無料で法律相談を行っているところがありますが、2回目以降、相談料がかかるところがほとんどです。

依頼後に料金に対して後悔しないためには、あらかじめ、ホームページで調べたり、相談時にしっかり聞いて料金に対して不明確な点をなくすことが大切です。

料金体系があいまいな弁護士や法律事務所などは、トラブルにつながる可能性があるので避けましょう。

弁護士の変更はできる?

弁護士に不満がある場合、依頼後であっても弁護士を変更できます

法律事務所に所属する弁護士であれば、変更したい旨を法律事務所に伝えます。

「弁護士費用特約」を使い、保険会社から紹介された弁護士であれば、保険会社に連絡します。

弁護士によっては依頼後の対応が遅かったり、方針に納得できなかったり、仕事の姿勢に不満を持つことがあります。

弁護士との相性の問題などもあります。

そういった場合には、できるだけ早く意向を伝えて弁護士を変更しましょう。

示談が成立してしまうと、内容を変えることができなくなってしまうので、変更したい場合は交渉の早い段階で次の弁護士を探すと良いです。

まずは交通事故チームのスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします

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後悔しないためにも、交通事故に強い弁護士を選びましょう

最後まで読んでいただきありがとうございます。

交通事故に遭ってケガの治療や今後の生活など、いろいろ不安な中では弁護士を探すのは大変なはずです。

弁護士選びで後悔しないためにも、今回の記事が参考になればと思います。

弁護士法人ALGには「交通事故事業部」といって、交通事故を専門に取り扱う部署があります。

交通事故事業部に所属する弁護士と事務局スタッフが日々事案解決に向けて連携して業務を行っています。

事業部があることで、交通事故事案に優れた弁護士をご依頼者様にスムーズに紹介することができます。

専門性を高めてやってきたことで、事案の解決実績も多くあります。

交通事故でお困りの場合は、ぜひ弁護士法人ALGへのご相談をご検討ください。

広島法律事務所 所長 弁護士 西谷 剛
監修:弁護士 西谷 剛弁護士法人ALG&Associates 広島法律事務所 所長
保有資格弁護士(広島県弁護士会所属・登録番号:55163)
広島県弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。